EV GROUP、ボトルネックを解消し、最高のコスト効率を実現する次世代の ステップ&リピート・ナノインプリント・リソグラフィ装置を発表

EVG®770NTは、拡張現実(AR)ウェーブガイド、ウェーハレベル・オプティクスや高精度バイオメディカル チップ用の複雑なマイクロ・ナノ構造の大面積マスタースタンプ製造を可能にします

EVG®770 NT ステップ&リピートNIL装置

EVG®770 NT ステップ&リピートNIL装置で作製した積層ウェーハレベルレンズ向け300mmステップ&リピートマスター

ナノテクノロジーデバイス、半導体製造向けウェーハ接合およびリソグラフィ装置のリーディングサプライヤーであるEV Group(本社: オーストリア ザンクト・フローリアン、以下: EVG)は、次世代のステップ&リピート・ナノインプリント・リソグラフィ(NIL)の新製品「EVG®770 NT」を発表しました。EVG770 NTは、拡張現実(AR)ウェーブガイド、ウェーハレベル・オプティクス(WLO)、および高精度のラボ・オン・チップデバイス(マイクロ流体デバイス)などの量産で使用される大面積マスタースタンプ製造を、マイクロ・ナノパターンの精緻な複製によって可能にします。

より大きな面積での緻密なマスター製造がボトルネックとなり、ステップ&リピートNIL技術の更なる進歩の妨げや、生産の拡張性が制限されてしまう、という課題が従来からありました。EVG770 NTは、EVGのNIL技術やステップ&リピートマスタリングにおける数十年の経験を活かして、パフォーマンス、生産性、そしてプロセスの制御性を最大にし、量産向けに特化した装置として設計されています。業界をリードするオーバーレイ精度と分解能を兼ね備え、最大300mmのウェーハとGen-2パネルサイズまで対応し、費用対効果が高く、高度なNILパターンの再現性を量産ラインで実現する装置となっています。

ステップ&リピートNILプロセスの利点

NIL技術の主要な市場の一つであるWLOは、スマートフォンに搭載されたデジタルカメラのオートフォーカス機能の向上や、スマートフォンのセキュリティ用顔認証技術、AR/VR(拡張現実/仮想現実)ヘッドセットの3Dモデリングやイメージングの強化といった、モバイル家電製品向けの全く新しいアプリケーションを可能にしています。ステップ&リピートNIL装置は、費用対効果の高いWLO製造だけでなく、微細構造が必要なマイクロ流体デバイスの製造にも用いられます。電子ビームなどの技術で描かれたシングルダイのマスターモールドを使い、そのモールドを基板全体に数回複製してフルエリアのマスターテンプレートとスタンプを製作します。このステップ&リピートマスターテンプレートを使用して、ウェーハレベル、またはパネルレベルで、実際の製造で使われるワーキングスタンプを製作することができます。

大きな基板上に大きなマスターモールドを複製する機能により、継ぎ目なしの、より大きなデバイスの製造が可能になります。このアプローチでは、ダイヤモンドターニング、レーザー/電子ビーム直描方式など、スループットが低く実装コストが高いために大きな基板にスケールアップすることが難しかった従来のマスター製作プロセスと比較して、歩留まりと製造コストに大きなメリットをもたらします。最高品質のダイを用いて、ステップ&リピートプロセスを実行することで、これらの質の高いパターン形成を製造ラインで効率的に実現します。

EV Groupで、コーポレート・テクノロジー・ディレクターを務めるトーマス・グリンスナー(博士)は、次のように述べています。「EV Groupは、ステップ&リピート・マスタリングテクノロジーの開発と改良に10年以上の時間を費やし、幅広い市場とアプリケーションでのNIL技術の効果を普及させることに努めてきました。その集大成によって誕生したEVG770 NTは、自由曲面マイクロレンズなどの製造に必要な高精度ナノパターニングを最高のコストパフォーマンスで大量に生産することを可能にしました。この画期的なステップ&リピートソリューションにより、お客様独自のマスターテンプレートを製作することができ、従来、外部委託していた工程を省き、NILプロセスフロー全体を社内で一貫して行うことができるため、大量生産における柔軟性と条件最適化のスピードが各段に向上することが期待されます。EVGは、新製品へのNIL技術の導入を検討されたいお客様、または小規模生産をご希望のお客様向けに、NILPhotonics®コンピテンスセンター内でステップ&リピートマスタリングサービスを提供しています。NILPhotonics®コンピテンスセンターは、お客様とEVGのビジネスパートナー向けのオープンアクセスイノベーション・インキュベーターであり、革新的なフォトニックデバイスやアプリケーションの開発サイクルと市場への投入時間の短縮を実現します」

飛躍的な進歩を遂げたパフォーマンスとスケーラビリティ

  • EVG770 NTが持つ、プロセス開発と生産の両方を支える機能:
  • 80mm x 80mmサイズまでのシングルレンズ/ダイテンプレートを最大300mmウェーハまたはGen-2(370x470mm)パネルまで継ぎ目なしで複製可能
  • 250nm以下のアライメント精度と50nm以下の分解能
  • 高額な原版の摩耗を回避。ワーキングスタンプによる大量生産プロセス
  • 露光時間を大幅に短縮する、高線量の新しい露光源
  • プロセス結果を常時検証・監視するための検査顕微鏡とライブプロセスカメラフィード
  • パーティクル汚染を最小限に抑えるための非接触エアベアリング
  • 5つのスタンプ用のストレージバッファーを備えた自動基板搬送およびスタンプ交換ユニット
  • インプリンティング力と離型力のin-situ制御と特性モニター
  • EVGの量産向けプロセス装置共通の最新CIM(Computer Integrated Manufacturing)フレームワーク・ソフトウェア・プラットフォーム

製品のご購入について

EVG770NTはすでに数台の納入実績がありますが、今回の発表をもって正式に受注を開始いたします。EVGオーストリア本社にあるNILPhotonics コンピテンスセンターでは、EVG770NTの実機を使ったデモンストレーションと実際にステップ&リピートマスタリングを提供するサービスを行っております。EVG770NTステップ&リピート・ナノインプリント・リソグラフィ装置の詳細については、https://www.evgroup.com/ja/products/nanoimprint-lithography/uv-nil-smartnil/evg-770/をご覧ください。

SPIE Digital Optical TechnologiesEVGが発表

EVGは、6月21〜25日にオンラインで開催されるSPIE Digital Optical Technologies Conferenceで、高屈折率導波路の製造におけるNIL技術応用の利点に関する招待論文を発表します。

EV GROUP(EVG)について

EV Group(EVG)は半導体、MEMS、化合物半導体、パワーデバイスおよびナノテクノロジーデバイスの製造装置およびプロセスソリューションのリーディングサプライヤーです。主要製品には、ウェーハ接合、薄ウェーハプロセス、リソグラフィ/ナノインプリント・リソグラフィ(NIL)や計測機器だけでなく、フォトレジストコーター、クリーナー、検査装置などがあります。1980年に設立されたEVGは、グローバルなお客様および世界中のパートナーに対し緻密なネットワークでサービスとサポートを提供します。 EVGに関する詳しい情報はwww.EVGroup.comをご参照ください。

お問い合わせ先:

イーヴィグループジャパン株式会社 マーケティング担当
TEL: 045-348-0665 E-mail: Marketing+CommunicationsJapan@EVGroup.com 

Clemens Schütte
Director, Marketing and Communications
EV Group
Tel: +43 7712 5311 0
E-mail: Marketing@EVGroup.com

David Moreno
Principal
Open Sky Communications
Tel: +1.415.519.3915
E-mail: dmoreno@openskypr.com

ミアキス・アソシエイツ 河西
E-mail: kasai@miacis.com