UV LED技術

EVG露光光学系の最新拡張機能となるUV-LEDランプハウスセットアップ

イントロダクション

LEDは、エネルギー消費が少なく、長寿命であることから、多くのアプリケーションで広く使用されています。LEDにこのような利点がある一方で、マスクアライナーの要件に十分な強度を満たせる光源は、長年にわたって、唯一、水銀ランプのみとされてきました。近年のUV-LED技術の向上と優れた光学系の組み合わせによるこのソリューションは、従来の水銀ランプを凌駕し、数々の利点をもたらしています。

Operating Costs Comparison

EVGは2005年からLED技術の評価を継続的に行っており、2006年には世界初の実用的なUV-LEDランプハウスを市場に投入しました。しかし、当時のUV-LED技術はまだ、製造用途としては幾つかの課題がありました。2016年、継続的な評価の末、EVGはUV-LED技術を大幅に進歩させ、多くの面で従来の水銀ランプを上回る性能を実現したことを機に、UV-LEDランプハウスの導入を再始動させました。この技術により、スペクトル線を個別に調整することができるため、特殊な光学フィルターが不要となり、ユーザーのアプリケーションにおけるUV露光スペクトルの設定に大きな自由度をもたらしました。さらに、ウォームアップやクールダウンが不要なため、エネルギー消費が少なく、長寿命であることもUV-LED光源の利点の1つです。また、LEDは露光プロセス中にのみ電力を供給すれば良いため、水銀アークランプ使用時に必要であった設備(排気、冷却ガス)やランプの定期交換が不要になります。ランニングコストやメンテナンスコストを最小限に抑えることができるだけでなく、操作時の安全が確保でき、環境に優しい、などの利点がさらにLEDの利用価値を高めています。水銀とその化合物は、人体や環境に対して非常に毒性が強いため、訓練を受けた担当者による取り扱い、定められた設置や交換方法、取り扱い時の安全保護具装着義務、正しい保管方法や有害廃棄物の処理など、厳しい既定の下、取り扱われる必要があります。EU(欧州連合)では水銀を使用しない経済を推進しており、その第一歩として、import and export of the high-pressure mercury vapor lamps for lightning & special purposes [2017/852](照明/特殊用途の高圧水銀ランプの製造・輸入・輸出を禁止する規制)を発効しました。国連は、環境負荷へ地球規模での取り組みとして、「水銀に関する水俣条約」を制定し、既に100以上の国がこのプログラムの締約国になっています。最新のUV-LED技術により、通常の水銀アークランプの取り付け、交換についてのリスクなく、取り扱い中に中毒を起こすことなく、安全な運用できることが保証されています。

特長

  • 最小限の運用コスト
    • 有資格者による定期的なランプ交換が不要
    • ランプハウスのクリーン化、密閉化
    • 必要最小限の設備(排気・冷却不要)
    • 長寿命光源
    • インスタントオン/オフ
  • 個別に調整可能なスペクトル線
    • フィルター・消耗品などの追加費用が不要
    • 光学系による汚染フリー
    • レシピ制御可能なユーザー定義波長強度設定
  • グリーン・プロセス(環境に配慮した生産プロセス)
    • 水銀フリー
    • オゾンフリー
    • 低消費電力
    • 危険を伴う操作や有毒廃棄物の発生なし

数値

厚膜レジストによる高解像度のパターン形成: シーメンスの星型パターン
厚膜レジストによる高解像度のパターン形成: シーメンスの星型パターン
200um厚のレジストを使用したLIGA構造用の高アスペクト比構造
200um厚のレジストを使用したLIGA構造用の高アスペクト比構造
マイクロ流体アプリケーション向けの50 um高アスペクト比リソグラフィパターニング
マイクロ流体アプリケーション向けの50 um高アスペクト比リソグラフィパターニング
真空接触露光、化学増幅ポジ型薄膜レジスト
真空接触露光、化学増幅ポジ型薄膜レジスト
水銀を使用しない経済に向けた欧州連合(UN)の動きと、国連の「水銀に関する水俣条約」に準拠したUV-LED技術
水銀を使用しない経済に向けた欧州連合(UN)の動きと、国連の「水銀に関する水俣条約」に準拠したUV-LED技術
50 um 厚の SU-8 露光ピラー、側壁角度 90° +/- 0.5°、露光およびプロセス方法の最適化により実現
50 um 厚の SU-8 露光ピラー、側壁角度 90° +/- 0.5°、露光およびプロセス方法の最適化により実現

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